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脳卒中と脊髄損傷の知識

神経疾患に関する基礎知識(脳卒中・脊髄損傷)

こちらでは、発症後身体に何らかの麻痺が残存しやすい神経疾患について、その基礎知識をご提示したいと思います。

①脳卒中(脳梗塞・脳出血)

脳卒中は、その病態によって大きく2種類(脳梗塞と脳出血)に分けられます。

脳梗塞とは

脳梗塞は、脳内に張り巡らされている血管の一部が詰まり、それによって血流が乏しくなった脳細胞が壊死してしまうことです。

詰まってしまった脳領域が仮に手足の運動や感覚を司る脳領域だった場合、脳の司令が送れなくなり手足が動かしにくくなったり、痺れや麻痺症状を呈します。

脳梗塞はその発症機序の違いから『ラクナ梗塞』『アテローム血栓性脳梗塞』『心原性脳塞栓症』の3つに分けられますが、どれも主な原因は動脈硬化が挙げられます。

動脈硬化とは、正常であれば弾力性に富む血管内にコレステロールなどの物質が貯留することで血管壁が硬くなり、血流が悪くなってしまうことです。

動脈硬化の原因は様々あり、加齢やタバコ、過度な飲酒や不摂生な食生活などによって生じやすくなります。

そのため、脳梗塞を予防するにはこうした生活習慣を見直すことが最も大切となります。

脳出血とは

脳出血とは、脳梗塞のように血管が詰まるのではなく脳内の血管そのものが破れてしまうことです。

症状としては、脳梗塞同様手足(主に半身)の麻痺や言語障害、麻痺側の痛みや痺れが生じます。

脳出血の最も大きな原因としては高血圧が最も多いため、普段の血圧が高い方は日頃の生活習慣を見直すといった取り組みが必要となります。

《脳卒中後に呈しやすい麻痺の状態(片麻痺)》

脳梗塞と脳出血の検査方法

脳梗塞と脳出血の検査として最もよく利用されるのが、『レントゲン検査』と言われるものです。

レントゲン検査には大きく2種類あり、それがこちらです。

①Computed Tomography:コンピュータ断層診断装置=CT
②Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置=MRI

CTやMRIという名称自体は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

実は、脳梗塞や脳出血の診断には必ずこの検査が用いられます。

但し、例えば同じCT検査であっても脳梗塞と脳出血で、その写り方は異なります。(だからこそ鑑別できる)

その理由は、CTとMRIそれぞれに特徴があるからです。

例えば、CT検査が最も得意とする病気は、脳出血や、くも膜下出血など『出血を伴うもの』です。

CT検査において脳出血などは白く見えることから、かなりはっきりと写し出されます。(脳実質は黒)

一方で、脳梗塞は脳出血とは少し異なります。

脳梗塞は、血管が詰まりその先の脳細胞が壊死する病気ですが、この壊死した脳組織はCT検査の際どのように見えるかというと、黒く写ります。

CT検査自体白黒で写し出されることから、元々脳実質が黒く写る状態で病巣自体も黒いとなると、少し見にくいかもしれません。

ちなみに、脳梗塞と脳出血ではどちらの方が多いかというと、データによって多少ばらつきはあるものの、一般的には「脳梗塞の方が多い」と言われています。

つまり、それだけ生活習慣病による脳梗塞リスクを抱えた人が多いということですね。

脳梗塞は脳出血に比べると、予防しやすい疾患であるため今のうちに健康管理には十分気を配っておきましょう。

脳梗塞・脳出血のリハビリテーション

国内における脳梗塞・脳出血のリハビリテーション方法としては、以下のようなものが挙げられます。

・歩行訓練
・電気刺激療法
・ロボットリハビリテーション
・装具療法
・ミラーセラピー
・課題志向型訓練
・CI療法など

②脊髄損傷

脊髄損傷は、大きくその損傷度合いから完全麻痺不全麻痺という2つの病態に分かれます。

『完全麻痺』とは損傷した脊髄以下に支配されている運動や感覚機能が消失してしまうことです。そのため、仮に損傷部位が頚椎レベルであった場合には、両手両足の運動や感覚機能が消失してしまうことになります。

一方で、『不全麻痺』は損傷した脊髄以下の運動がわずかに行えたり、感覚機能も多少残存していたりする場合があります。

脊髄損傷の主な原因としては、交通事故やスポーツ事故などをはじめとする大きな外傷によって生じる場合が多いとされていますが、時折後縦靭帯骨化症黄色靭帯骨化症といった疾患を契機に脊髄損傷と同様の症状が生じるケースもあります。

脊髄損傷後の麻痺の状態としては大きく『両麻痺』または『四肢麻痺』が多いとされています。

『両麻痺』とは主に両足に麻痺が残存している場合であり、『四肢麻痺』とは両手両足に麻痺が残存している状態を指します。