この投稿は、『〜麻痺特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ、今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。
さて、いきなりですが質問です。
もう少し、具体的にいうと損傷した部位そのものはそのままですが、その周りの脳領域が損傷した部分の機能を補うことで回復していきます、
一昔前であれば、一度損傷した神経(脳)は修復ができないと言われていましたが、最近はその事実は覆されていて、一度損傷したとしても変化することが多くの研究によって明らかにされてきています。
そこで、今回のコラムでは、実際の研究結果なども提示していきながら『一度損傷した脳もリハビリによって変化する』ということについてお伝えしていけたらと思います。
これは、特に脳卒中などによって麻痺を患ってしまった方にとっては非常にポジティブな情報ですので是非最後までご覧いただけたらと思います。
【脳卒中リハビリ】一度損傷した脳はリハビリによって変化する
筋肉がスムーズに動くメカニズム
さて、私達が体を自由に動かせるのは、『脳→神経→筋肉』という目には見えない神経の流れによって実現できています。
しかし、脳卒中や脊髄損傷などなんらかの神経疾患によって、この経路の途中で障害が起きてしまうと体が思うように動かせなくなります。これが『麻痺』と言われる状態です。
特に脳卒中や脊髄損傷などによって生じる麻痺は『痙性』と言って、自分では力を入れていないつもりでも、勝手に筋肉が収縮し力が抜けにくい状態となってしまいます。
逆に、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、その他末梢神経障害によって生じる麻痺はどちらかといえば、力が全く入らなくなる麻痺が多いです。
下垂足と言われるような麻痺はこの典型かもしれません。
脳と体の関係
私たちの体に肩や肘、股関節や膝があるように、実は脳にもその身体と対応するように命令を出す脳部位というのが存在しています。
例えば、脳卒中によって脳内の『肩関節』に対応する領域に損傷が生じると麻痺もそれに対応するように『肩関節』に現れます。
では、ある特定の脳領域に損傷を受けたら、それに対応する体も麻痺したままになるのか?
というと、そうではありません。ここが先ほど話した『脳は変化する』という事実です。
それは、その麻痺が生じてしまった部位をたくさん使う(動かす)ことです。
要は、麻痺した部分をしっかりリハビリしていくことが脳を変化させるために大事な手続きになってきます。
では、それを実際に示した研究をご紹介します。
リハビリによって脳が変化することを示した研究
参考論文
Remodeling of cortical motor representations after stroke: implications for recovery from brain damage. nudo 1997
この研究は、リスザルの実際の脳の一部(指)を意図的に損傷させ、そこからリハビリを行った場合と行わなかった場合とで、脳がどのように変化したかを観察した研究しました。
このように、仮に脳梗塞などによって脳の一部が損傷してしまっても、しっかりそこに対応する体のリハビリを行えば脳を変化させることが可能なのです。
ここで記載したこと以外で、脳の変化(脳の可塑性)について詳しく書かれている記事がありますので、ご興味ある方はこちらもご覧ください。
『脳の可塑性』、このワード自体は脳卒中のリハビリテーションに従事されているセラピストの方であれば一度は聞いたことがあるの…
※専門職(理学療法士・作業療法士)向けの記事です。
最初の動かせない時期はとてもきついとは思いますが…
ここまで、麻痺が生じた部分のリハビリを行えば脳が変化するということをお伝えしてきましたが、実際のところ、麻痺が起きた部分を動かすこと自体、特に発症直後などは容易ではありません。きっと動かしたくても思うように動かせず、もやもやすると思います。
しかし、今回お伝えしたように私たちの脳は“どのように体を動かしていくか”という事によって、良い変化も悪い変化も起こします。
そのため、麻痺を患ってしまった後はできる範囲で動かし使っていくことを心がけると良いかもしれません。
当センターでは、最新の知見を常に取り入れリハビリサービスを提供しています
脳と脊髄リハビリ研究センターでは、今回ご紹介したような脳科学などの知識を日々取り入れ、それを方法に落とし込んだリハビリサービスを行っています。
もし、過去に脳卒中によって麻痺を患ってしまった方で、今後麻痺の改善を図っていきたいと思われている方いましたらお気軽にご連絡ください。
これまで、医療機関で神経疾患に特化したリハビリを行なってきたセラピストが精一杯回復のお手伝いをさせて頂きます。