この投稿は、『〜麻痺特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ、今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。
本日は、『脳卒中後に麻痺側の肩が痛くなる人ってどれくらいいるの?』というのをテーマにお伝えします。
脳卒中後に肩が痛くなる人ってどれくらいいるの?
今回、脳卒中後に方の痛みを訴えた人数を調べた海外の研究を3本ご紹介致します。
また、後半は肩の痛みを訴えた人に共通していたことに関してもお伝えいたします。
知見①
参考論文
Reduced active control and passive range at the shoulder increase risk of shoulder pain during inpatient rehabilitation post-stroke: an observational study. Blennerhassett JM 2010
この研究は、脳卒中を患者様94人を対象に行った研究です。
このうち、入院した段階で肩の痛みを発症した方は22人、リハビリテーション期間中に肩の痛みを発症した人は11人でした。
トータルすると、94人中33人が最終的に肩の痛みを発症しています。
知見②
参考論文
Shoulder pain in hemiplegia: results from a national rehabilitation hospital in Turkey. Meltem Dalyan 2004
この研究では、脳卒中患者様85人を対象に行って肩の痛みの発症率を調べています。
結果は、85人中54人の人が肩の痛みを訴えたことがわかりました。
知見③
参考論文
Post stroke shoulder pain: a prospective study of the association and risk factors in 152 patients from a consecutive cohort of 205 patients presenting with stroke. Gamble GE 2002
この研究では、脳卒中患者様123人を対象に肩の痛みの発生率を調べています。
結果、123人中52人の方が肩の痛みを訴えました。
以上が、脳卒中後に肩の痛みを訴える人の人数でした。これをみていくと、大体約4割ほどの方が脳卒中後に肩の痛みを発症しそうです。
ただ、逆に言えば肩の痛みを訴えない人も約6割いるので、そう考えると脳卒中後必ず肩の痛みが起こるとは言えません。
そこで、次は肩の痛みを訴えた人に共通していた現象をお伝えしていこうと思います。
これを見れば、肩の痛みが生じている原因に少しだけ近づくことが出来るかもしれません。
脳卒中後、肩の痛みを訴えた人に共通していた現象
肩の痛みを訴えた方に共通していたこと。
それは、大きく2つあることがわかりました。
①麻痺側肩関節の可動域が減少している(硬くなっている)
②麻痺側の腕全体の運動機能が低下している
この他に、『亜脱臼』が関与している研究結果を示す論文もありましたが、今回は複数の研究に共通していた点のみを抜粋しました。
これを見ると、肩の痛みを訴える方の多くは麻痺側を日常生活の中であまり使えていない可能性があり、その結果、関節可動域や運動機能が低下していると考えられそうです。
よって、もしいま現在肩の痛みに悩んでいる方は、(麻痺側を動かすことは容易ではないと思いますが)できる限り日常生活の中で麻痺側を使っていくことを心がけてみてください。
当センターは脳卒中後の肩の痛みにも対応しております
脳と脊髄リハビリ研究センターでは、今回ご紹介したような脳卒中後の肩の痛みにも対応させていただいております。
今回お伝えしたように、肩の痛みを伴っている方の多くは肩関節周囲の硬さや運動機能が低下している場合が多いです。
そのため、担当セラピストがしっかりお体の評価を行なった上で、丁寧にリハビリを行なって参ります。
もし、脳卒中後の肩の痛みでお困りな方いましたら、お気軽にご相談ください。