この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が日々脳卒中(脳梗塞・脳出血)のリハビリテーションに従事する医療従事者の方向けて発信する最新エビデンス情報です。
本日は、昨年2022年に行われたシステマティック・レビューを参考に「脳卒中後のトレッドミル歩行訓練は、どのくらい行えば歩行能力が改善するのか?」という疑問に対してお答えしていきたいと思います。
それでは、本日もよろしくお願いいたします。
【脳卒中リハビリ】トレッドミルでの歩行訓練はどのくらい行えば良いの?
目安は『40分×30回』
早速、結論からお伝えします。 本レビューで結論づけられているトレッドミル歩行訓練の必要な目安は以下です。
歩行速度に意味のある変化をもたらすには少なくとも30回(できれば10週間の期間で、1回あたり少なくとも40分)のトレッドミル歩行訓練が必要である。 “Magic” Number of Treadmill Sessions Needed to Achieve Meaningful Change in Gait Speed After Stroke: A Systematic Review.Mariah,2022
注意点は、この研究では歩行能力のアウトカムに『歩行速度』を用いて検討しているので、もし仮に「歩行中のバランス能力を改善したい」だったり、「歩行中における足のぶん回しを改善したい」といった場合には少し話しが変わってくるので留意しておきましょう。
週5回実施できるのが理想
ちなみに、もっと詳細にみていった場合…
トレッドミルを用いて歩行速度に改善に至ったグループは、概ね6週間以内に30.5回のトレッドミル歩行訓練を実施したのに対し、歩行速度が改善に至らなかったグループでは、10週間で20.4回しか実施できていませんでした。
6週間で約30回なので、週に換算すると約週5回ほどのペースでトレッドミル歩行訓練が行えると良いかと思います。
トレッドミル歩行訓練はとても有効
近年、脳卒中後の歩行能力改善を目的としたリハビリで『トレッドミル』は非常に有効であることが証明されてきています。
そのため、いま通われているリハビリ施設などにトレッドミルがあればぜひ積極的に利用されることをオススメします。
当センターでもトレッドミルを使っています!
脳と脊髄リハビリ研究センター福岡でも、脳卒中や脊髄損傷、脳性麻痺といったお客様を対象にトレッドミル歩行訓練を積極的に実施しています。
当センターのトレッドミルには手すりや身体を支えるハーネス、そして速度も0.2km〜とスピードをかなり遅い状態からスタートさせることができるので、歩行障害をお持ちの方でも安全にご利用可能となっています。
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参考文献
“Magic” Number of Treadmill Sessions Needed to Achieve Meaningful Change in Gait Speed After Stroke: A Systematic Review.Mariah,2022