この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患(脳梗塞・脳出血・脊髄損傷など)により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。
脳卒中のリハビリテーションを進めていく際、発症初期や重度の麻痺によって麻痺側の手足がわずかしか動かない場合、脳卒中当事者の皆様、もしくは理学療法士や作業療法士の皆さんはどのようなリハビリを行なっているでしょうか?
今回は、このようなお悩みにを持たれている方に有効な方法である『運動観察療法』というリハビリ方法をご紹介します。
ぜひ、最後までご覧いただき今日からのリハビリに活かしてみてください!
なお、運動観察療法についてはこちらの記事でも解説しています。(主に歩行について)
ご興味ある方は、こちらも合わせてご覧ください。
この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ、今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。本日お伝えしたいテ[…]
それでは、はじめていきましょう!
【神経科学を応用したリハビリ】動きを見るだけで麻痺が回復していく運動観察療法
運動観察療法とは
運動観察治療(Action Observation Therapy:AOT)とは、他者の行為の観察と身体運動の反復練習を組み合わせた治療のことであり神経科学を応用したリハビリテーション方法の一つです。(ikeoka,2009)
この方法は、先ほど冒頭でお話ししたような「発症初期や重度の麻痺によって手足を動かしたくても動かない」場合に、よく用いられる方法になります。
運動観察療法のメカニズム
なぜ、他者の行為や運動を観察するだけで麻痺した手足が動くようになるのか?
これは、私たちの脳内に備わっている神経系の機能が一役買ってくれており、この機能のことを『ミラーニューロン』と言います。
ミラーニューロンとは、「他者の行動を観察したとき、実際にその行動を自分が起こした場合と同じ活動が脳内で生じる神経系のこと」です。
要するに、目の前の人が動いている姿を観察しているだけで、その動きに関する脳活動が自分の脳の中で起こっているということですね。
ミラーニューロンの構造
ミラーニューロンの構造を簡単に解説します。
※専門的な脳領域が出てきますので、難しいと感じた方はこの部分は飛ばしてください。
実は、過去の研究からミラーニューロンは主に3つの脳領域から構成されていると言われています。
②下頭頂小葉
③上側頭溝
この3つの脳領域には解剖学的なつながりがあることから、この3領域は『ミラーニューロンシステム』と呼ばれています。(murata,2005)
運動観察療法の成果
とはいえ、「本当に他者の動きや行動を見るだけで良くなるの?」という多少の懐疑心というのはあるのではないかと思いますので、ここで一つ運動観察療法の実際の成果についてお伝えしておこうと思います。
この研究では、グループが2つに別れていて一つのグループは『麻痺側の集中的な反復訓練』を、もう一つのグループでは『麻痺側の集中的な反復訓練』に加えて『運動観察療法』を行なっております。
Bグループ:『麻痺側の集中的な反復訓練』+『運動観察療法』
対象者は全て脳卒中後遺症患者様
結果ですが、この研究だと運動観察療法を加えて行なっているBグループの方が麻痺側の腕の運動機能が改善したことが明らかになりました。
加えて、運動観察療法を取り入れたグループBの脳卒中患者様の脳活動を調べるとミラーニューロンシステムに関連する脳領域が賦活していたことが分かりました。
他にも、脳卒中後に対する運動観察療法の効果を示した論文は沢山挙がっているので、臨床や自主トレなどに十分活用できるのではないかと思います。
特に必要な道具や準備するものなどは必要ないので、お時間ある際に行ってみてはいかがでしょうか?
運動観察療法の注意点
最後に、運動観察療法を取り入れる際の注意点について触れておきます。
運動観察療法を行う際、「自分自身が経験したことのない動作・行動は効果がありません」。
というのは、自分自身が経験したことのない動きでは脳内のミラーニューロンシステムが賦活してくれないからです。
そのため、脳卒中患者様ご本人が発症前に行なったことのない運動や行為の観察を行なっても効果が薄いので注意しておきましょう。
参考文献
1)脳卒中後の上肢機能障害に対する運動観察治療の効果.池岡,2009
2)ミラーニューロンの明らかにしたもの-運動制御から認知機能へ-.村田,2005
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脳と脊髄リハビリ研究センター福岡では、当施設を利用して毎月セミナーを開催しております。
一回のセミナーの参加人数が8名限定と少数で開催しているため質疑応答等も行いやすく、終了後モヤモヤが残ったままにならないように徹底したディスカッションを中心に行っております。
セミナーのテーマは3つに絞っております。
①『脳卒中リハビリテーション』
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この3本を月毎に開催しております。
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