この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ、今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。
今回は、「脳卒中後のリハビリにおいてバランス能力を高めたいなら歩くよりも◯◯」というテーマでお送りいたします。
脳卒中後のリハビリで一つのテーマとも言える『バランス能力』
これは、立ち上がりや歩行中に転倒を防いだり、スムーズに歩くための基本となる能力です。
では、この『バランス能力』を高めようと考えた時、いったいどのようなトレーニングを行えば良いのでしょうか?
多くの場合、その方法として選ばれるのが『歩行訓練』です。
沢山歩く中で、足の筋力の向上とバランス感覚を養っていく、そういった意図のもと実施されているケースが多いです。
ただ、そうすると…
「歩行訓練よりも効果的なバランストレーニングってないの?」
こういった疑問が湧いてこないでしょうか?
そこで、今回は過去の研究報告をもとに、歩行訓練よりも効果的なバランストレーニングをご紹介していきたいと思います。
脳卒中を患い現在もリハビリを続けられている方、もしくはリハビリテーションに携わっている全てのセラピストの皆様に見ていただきたい内容となっております。
ぜひ、最後までご覧ください。
脳卒中後のリハビリにおいてバランス能力を高めたいなら歩くよりも◯◯
【結論】バランス能力を高めたいなら歩くよりも階段!
実は、2014年に「階段昇降訓練と歩行訓練はどっちがバランス能力に寄与するのか?」という今回のテーマにぴったりな研究が行われました。
対象者は全員で30名。
『歩行訓練を行うグループ15名』と『階段昇降を行うグループ15名』に分けられ、どちらのグループがよりバランス能力に変化が見られるのかが検証されました。
その結果明らかになったのは…
「バランス能力の向上により効果的なのは歩行訓練よりも階段昇降訓練を行うこと」という事でした。
「具体的に、何が良くなったのか?」
という事ですが、大きく2つ改善ポイントがあります。
変化① 両足に体重をかけられるようになった
一つ目の変化、それは両足にかかる荷重の差が小さくなった事です。
というのが、脳卒中後バランス能力が低い方の多くは、「非麻痺側(麻痺がない方)の足に体重がかかりがちで、麻痺側の足にはほとんど体重が乗らない。」というケースが実は多いのです。
これというのはいわば常に片足で体重を支持しているわけなので、当然バランスは悪くなりやすいです。
しかし、階段昇降訓練を実施することでこの両足にかかる体重の差が減少し、これはつまるところ麻痺側の足にも体重がかけられるようになったという事です。
※ちなみに、歩行訓練のみを行ったグループは両足にかかる荷重差に変化が見られなかったようです。
変化② 重心移動が上手になった
階段昇降訓練による二つ目の変化。
それは、訓練前に比べて重心移動が上手になったことです。
「重心移動が上手になった」とは具体的にいうと、訓練前までは踵からつま先まで体重を移動させることができなかったにもかかわらず、階段昇降訓練を繰り返す行うことによって踵からつま先までの重心移動が行えるようになったのです。
体重移動が上手になればなるほどバランス能力は向上するため、この変化もとても大きな成果になるかと思います。
階段昇降訓練はどれくらいやればいいの?
実際にどのくらいやれば良いの?
こちらが、この研究で行われた実施頻度と期間になります。
よって、目安としてはこの量を基準にして頂くと良いかと思います。
30分間ひたすら階段昇降訓練を行い続けるのは多少きついかもしれませんが、週3回なので一日休みを置きながら行って頂けたらと思います。
参考文献
The effects of stair gait exercise on static balance ability of stroke patients.Seo K,2014
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