【療法士向け】脳卒中後においてゴールドスタンダードとされている上肢運動機能の評価はこれ!

この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患(脳梗塞・脳出血・脊髄損傷など)により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。

脳卒中後のリハビリテーションにおいては様々な評価方法が活用され、それらアウトカムというのが改善度合いを表す一つの指標になっていたりします。

今回は、そうした評価のうち『上肢の評価方法』に的を絞り、2022年現在において最も有効とされるゴールドスタンダードな評価をお伝えしたいと思います。

現在、脳卒中後のリハビリテーションに従事されている理学療法士・作業療法士の皆さん必見です。

【療法士向け】脳卒中後においてゴールドスタンダードとされている上肢運動機能の評価はこれ!

脳卒中後における上肢運動機能評価一覧

まずは脳卒中後、上肢の運動機能を評価していく場合どのような評価方法があるのか、それらを一覧で示していきたいと思います。

今回、ソースは『作業療法ガイドライン:脳卒中』を引用させていただいております。

①脳卒中機能評価法(Stroke Impairment Assessment Set :SIAS)

推奨グレード:A

SIAS は、麻痺側上下肢や体幹の運動機能に限らず、感覚機能、視空間認知、 言語、非麻痺側の運動機能を多面的に評価できるよう作成された総合的身体機能評価です。

SIASの総合計点数は予後予測にも活用できることから、有益な評価の一つであるとされています。

②Fugl-Meyer Assessment(FMA)

推奨グレード:A

FMA は、上肢運動機能、下肢運動機能、バランス、感覚、関節可動域、関節痛からなる脳卒中の総合的身体機能評価です。

評価ツールであるあるの「評価者によって評価の決め手となる点数が変わるのではないか?」という問題に関しても、FMAは検者間信頼性が非常に高い評価であることが示されているため、(療法士の)誰が行っても妥当性の高い評価結果が得られるのが特徴です。

③Wolf Motor Function Test(WMFT)

推奨グレード:A

WMFは、その信頼性・妥当性が高い評価法である。各種上肢機能訓練のアウトカムとしてしばしば利用される。日本語版WMFTは、内部一貫性・検者間信頼性共に高く十分な信頼性をもつ評価法である。Functional Independence Measure(FIM)とは相関がないが、FIMがADLの自立度を評価する尺度で、患側の上肢機能を測定しないためである。WMFTはADL場面に近 い状況における患側上肢動作の機能を評価する尺度として今後の活用が期待できる。Simple Test for Evaluating Hand Function:STEFとの比較では、軽度の症例においては、STEFは50〜100 点の範囲で詳細評価が可能であるが、より重度な症例では0〜20 点の範囲でしか評価できず、WMFTでは20〜2000秒とより広範囲で詳細な評価が可能であることが示された。つまりWMFTがSTEFより重度な症例に対してより詳細な上肢機能の評価が可能である。

『作業療法ガイドライン:脳卒中』より引用

④Motor Activity Log(MAL)

推奨グレード:A

MALは、上肢評価の中でもより巧緻性が必要な手指を用いた ADL動作を評価することができるツールです。

ADL活動を評価できると言ってもFIMとの相関関係はありません。理由は、FIMは粗大な項目を含んでいるため、より巧緻的な上肢機能に焦点をあてているMALとの間での視点が異なっているためです。

⑤Action research arm test(ARAT)

推奨グレード:A

日本で信頼性、妥当性、反応性の検討が行われている。評価者間の信頼性は高く(合計スコアの ICC:0.99)、内的一貫性においても良好であった。依存的妥当性においては、FIMとの相関性は低かったが、STEFとFMAとの相関性は高かった。STEFと比較して、ARATは床効果が起こりにくく、重度の麻痺から軽度の麻痺がある患者に対して検査可能であった。

『作業療法ガイドライン:脳卒中』より引用

近年のゴールドスタンダードは『FMA』

上記のように、脳卒中後における上肢機能障害の評価方法は(記載したもの以外にも)数多くあり、今回挙げさせて頂いているものはそれらの中でも特に推奨されているツールです。

では、今回ピックアップした5つの評価の中でも特に近年世界的にゴールドスタンダードになっている評価はどれか?

というと、それは『Fugl-Meyer Assessment:FMA』であるとされています。

上肢の運動回復を評価する検査は数多くあり、中でもFugl-Meyer Assessment for Upper Extremity(FMA-UE)は運動障害や運動制御のゴールドスタンダードとされている。

Relation Between EEG Measures and Upper Limb Motor Recovery in Stroke Patients: A Scoping Review.Giada Milani,2022

実際、脳卒中の上肢機能に関するシステマティック・レビューを拝見すると、アウトカムとしてほぼ必ずと言っていいほどFMAは採用されています。

そのため、脳卒中後のリハビリテーションを進めていく際には、アウトカムのベンチマークとしてFMAは必ず評価しておいて良いのではないかと思います。

なぜならば、世界中でスタンダードとされている評価を実施することによって、自分自身が行ったリハビリテーションの成果を比較することが可能となるからです。

自分が行った臨床が良かったのか、はたまた悪かったのか。

この結論は、同じ評価ツールとの比較によってしか明らかにすることはできません。

だからこそ、世界的に一般的とされる評価ツールを用いることは、自分自身の臨床の成果を客観的に評価する一助になるのです。

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