この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ、今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。
当センターでリハビリを行っているお客様からよく頂くご質問に…
という声をよくお聞きします。
そこで本日は、この質問に対して海外で実際に検証された知見をもとにしてお答えします。
水中歩行訓練VS陸上歩行訓練
概要
【参考文献】
Effect of aquatic versus land motor dual task training on balance and gait of patients with chronic stroke: A randomized controlled trial. Saleh 2019.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31256082/
↑こちらの研究は、慢性期(発症から6ヶ月以上)脳卒中患者様を対象に、水の中を歩いてトレーニングを行った人25名と、陸上を歩いてトレーニングを行った人25名に分けてその効果の有無を調べました。
※年齢:45歳〜55歳
・頻度:週3回×6週間
結果① それぞれのトレーニングの効果
水中歩行トレーニングを6週間、陸上歩行トレーニングを6週間それぞれ行ったグループ、両者ともトレーニングを開始する前に比べると『バランス能力』そして『歩行能力』が改善しました。
つまり、どちらを行っても効果があるということです。
結果② 水中vs陸上
ここが恐らく今回の記事の本題になるかと思います。
つまり、家の周りを散歩するのに比べてプールに行った方が効果があるのかどうか?ということです。
結果ですが…
この研究においては『水中歩行トレーニング』を行ったグループの方が陸上歩行グループよりも『バランス能力』と『歩くスピード』『歩幅』『麻痺側の足で片足立ちができる時間』に大きな改善がみられました。よって…
これに対する答えは…「プールで歩くトレーニングには効果がある!」ということができるかと思います。
お近くにプールなど、水の中を歩くことが可能な施設がある方は試しに一度行ってみるというのも良いかもしれません(^^)
まとめ
・脳卒中後、慢性期になったとしてもプールのような水の中で歩く運動を行うと、身体能力は今よりも改善する可能性があります。
・また、様々な理由でプールに行けない方であっても、散歩などの歩く運動を習慣化するだけでも、今より身体能力が改善する可能性があります。
参考文献
・Effect of aquatic versus land motor dual task training on balance and gait of patients with chronic stroke: A randomized controlled trial. Saleh 2019