【脳卒中リハビリコラム】肩の自主トレーニング3選!

この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が日々脳卒中(脳梗塞・脳出血)や脊髄損傷、脳性麻痺といった神経疾患後遺症のリハビリテーションに従事する医療従事者の方や、当事者の皆様に向けて発信するエビデンス情報です。ぜひ、明日からの臨床にお役立てください。

脳卒中の当事者様の多くの中で、困っていらっしゃる部分として麻痺側の手が動かないことが多く挙げられます。

実際の臨床の現場でも大きな課題であると思います。

そこで、今回の記事は「肩の自主トレーニング」についてご紹介いたします。数が多いので、今回は3つのみご紹介させていただきます。

なかなか麻痺側の手が動かしづらい方にも行っていただきやすいような方法となっております。

療法士の皆さんには日々の臨床で、当事者の皆さんには今日からの自主トレにぜひ活かして頂けると幸いです。

【脳卒中リハビリコラム】肩の自主トレーニング3選!

はじめに

まず、本題に入る前に『脳卒中後のリハビリを行う際のポイント・重要なこと』について少しお話しさせていただきます。  

脳卒中後に主に生じる症状として代表的なものとして、お身体が思ったように動かしづらくなる運動麻痺や、触った物の感触(ツルツル、さらさらなど)や痛み、熱さなどが感じづらくなる感覚麻痺が挙げられます。

この症状に対して、療法士の皆さんはさまざまな治療法を行ってきたことと思います。また当事者の皆さんは、さまざまな治療法を実際に受けられたり目にしたことがあるかと思います。

とはいえ、麻痺のリハビリにおいて抑えていただきたいポイントがあります。

それは筋肉を鍛えたりマッサージをすることが直接的に回復に繋がらないということです。

なぜなら、脳梗塞や脳出血によって脳の特定の部位が損傷された結果として、筋肉や関節が動かしにくいことで思うように体が動かなくなっているからです。

そのため脳卒中後の後遺症のリハビリを行う際は、ご自身のお身体の動きを通して『脳の中の情報を書き換えること』です。

上記のことを頭の片隅に置いて、意識しながらリハビリしていけると良いかと思います。

肩の動きにはさまざまな筋肉が関わっている

肩関節は、肩甲骨と上腕骨についている筋肉が協力しながら動くことで成り立っています。

肩甲骨をコントロールする上で主に関わる筋肉は、僧帽筋前鋸筋菱形筋群肩甲挙筋小胸筋です。

そして肩を色々な方向に動かす上で重要な関節が、肩甲上腕関節と言われています。この関節はいろんな方向に動く反面、不安定な構造をしています。そこで安定性を保つために筋肉や靭帯がサポートしています。

その中でも、棘上筋棘下筋小円筋肩甲下筋の4つの筋肉がローテーターカフと呼ばれており、肩を動かすために働いている筋肉です。

脳卒中を患った方の多くは、麻痺の影響によってこの肩甲骨の周りについている筋肉やローテーターカフの働きが低下しやすくなり表面を覆っている大きなである小胸筋や僧帽筋上部の筋肉が働きやすい傾向にあります。

そのため、まっすぐ手を上げようとした時に外の方向に上がってしまったり、手と体が一緒に動いたりして当事者の方が思っている方向に動かないことがあるのです。

肩のリハビリで大切なこと

肩の筋肉の働きを知った上で、この自主トレーニングを行うためのポイントを2つお伝えします。

くイメージを鮮明に行うこと

今できる範囲の動かせる運動を繰り返し動かすこと

この2つがとても重要になってきます。どちらも脳の回復過程において凄く重要になってきます。この部分については別の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

①運動イメージ

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②脳卒中後、麻痺に対してのリハビリの場合、特に上肢の場合は回数や頻度が重要になってきます。

頻度について理想は毎日ですが、他の研究の行っている回数の平均をみていて最低でも週3回以上は必要とされています。

一方回数は、まずは20回続けて行えるようにしていきましょう。実際に当センターに通われているお客様に行ってみたところ、20回行うと疲労感が出てくる方が多くいらっしゃいました。疲労感が出てきたら休息を入れていただきながら続けていけるよう行ってみてください。

1回に連続で行える回数の目標は50回を目指して行っていきましょう。

方法① 天井に向かって手を伸ばす

【姿勢】仰向け

【方法】

①麻痺側の手を伸ばして届く場所に目印を設置する

②肘を伸ばした状態で目印に向かって手を伸ばす

③手を下まで下ろす

④上記②・③の動きを繰り返す

【注意点】

・肩や肘の動きで行わないようにすること

・肘が曲がらないことを意識すること

方法② 天井に向かって手を伸ばす(肩+肘)

【姿勢】仰向け

【方法】

①麻痺側の手を伸ばして届く場所に目印を設置する

②ベッドから手を離して目印に向かって手を伸ばす

③肘を曲げながら下ろす

④上記②・③の動きを繰り返す

【注意点】

・手を下まで下ろすことを忘れないようにする

方法③ 肩をタッチする

【姿勢】四つ這い

【方法】

①麻痺側の肩に目印を設置する

②目印に肩で触るように体を動かす

③前後に体重を移動するように動かす

④上記②・③の動きを繰り返す

【注意点】

・肘が曲がらないようにすること

終わりに

以上3つの方法をご紹介しました。

この方法をご覧になって「一人ではできない…」と思われた方もいらっしゃると思います。

まずは試してみてどこまで出来るのか、今ご自身が行える範囲の動きを知ることも大切なことです。その上でできる範囲の運動を何度も繰り返し行うことがリハビリとして効果的です。

その理由は、できる範囲の運動を繰り返すことによって、脳がその動きを覚えてくれるからです。そしてその学習した動きがさらに動く範囲を広げていくことに繋がります。

冒頭でもお伝えした通り、上肢のリハビリには頻度と回数がとても大切になってきますので、その部分を踏まえた上で療法士の皆さんは自主トレーニングの指導を、当事者の皆様は実際にリハビリを行ってみてください。

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詳しい内容や日時については、こちらのページをご覧ください。

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