感覚情報の統合を担う脳領域〜頭頂葉だけではない〜

この投稿は、神経疾患特化型自費リハビリ施設『脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、脳卒中等による麻痺の後遺症でお悩みを持つ方、そしてリハビリテーションに携わる医療従事者の皆様に向けて執筆しています。

今回は、そんな医療従事者の皆様向けの知見をご紹介していきたいと思います。

この知見は、脳卒中をはじめ運動器疾患のリハビリテーションを進めていく上でも非常に大切な知識になるため、ぜひ最後までご覧ください。

感覚情報の統合を担う脳領域〜頭頂葉だけではない〜

論文紹介

Integration of Visual and Proprioceptive Limb Position Information in Human Posterior Parietal, Premotor, and Extrastriate Cortex

【タイトル】
人の後頭頂葉、運動前野、および有線外皮質身体領域における視覚および固有感覚の四肢位置情報の統合

【発表年】
2016年

【論文概要】
この論文のポイントをざっと抑えると…

「異種感覚情報の統合が行われている脳領域って実は頭頂葉意外にもあるんじゃなかろうか?」という仮説を検証した研究です。

有線外皮質身体領域(extrastriate body area:EBA)

これまで異種感覚(例えば視覚+固有感覚)の統合で真っ先に想起される脳領域といえば、『後頭頂葉(頭頂連合野)』で、加えて『運動前野』が出てくることがありました。

しかし、そんな中で近年注目されている脳領域というのが『有線外皮質身体領域(extrastriate body area:EBA)』です。

EBAがある部位は後頭葉(視覚野)で、この領域はラバーハンド錯覚を行っている時などに活性化したことから、異なる感覚情報が統合される際に働く脳領域であることが判明しました。

面白いのは、このEBAという脳領域は後頭葉にある部位でありながら、『固有感覚情報』が加わった際にも活性化するという事実です。

従来、体性感覚情報などは頭頂葉(体性感覚野)に入ってくるというのが一般的な知識でしたが、実際は後頭葉(EBA)にも入るし、加えて前頭葉(運動前野)にも入っていくことが明らかになりました。

この辺りは、今まで習ってきた教育とは多少異なる知識なので、これを機にぜひ覚えておいて頂けると良いかもしれません。

感覚情報の統合まとめ

それでは、ここまでの内容をまとめていきます。

これまで異種感覚統合といえば、ほぼほぼ『後頭頂葉』の名前だけ挙がっていましたが、本研究によって異種感覚統合に関する脳領域は…

①後頭頂葉(PPC)→上頭頂小葉(SPL)+下頭頂小葉(IPL)

②運動前野(PMv)

③有線外皮質身体領域(EBA)

この3つが責任領域として同定されました。

脳卒中のリハビリテーションや慢性疼痛のリハビリテーションにおいて感覚情報の統合は『運動主体感』や『身体所有感』を司どる大切な部分になるため、この機会にしっかりと抑えておきましょう!

 

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