脳卒中後における歩行能力の改善と下肢筋活動パターンの関係

この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ、今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。

脳卒中とは

神経疾患に関する基礎知識(脳卒中・脊髄損傷)こちらでは、発症後身体に何らかの麻痺が残存しやすい神経疾患について、その基礎知識をご提示したいと思います。①脳卒中(脳梗塞・脳出血)脳卒中は、その病態によって大きく2種類(脳梗[…]

脳卒中と脊髄損傷の知識

本日お伝えしたい内容は、「脳卒中後に歩行が改善すると麻痺側の筋活動も改善するのか?」です。

つまり、「歩きがよくなれば自身の筋肉の活動もより正常に近づいていいくのだろうか?」というそんな内容になっております。

今回の話しもどちらかといえば理学療法士や作業療法士さん向けの内容となっておりますので、脳卒中後の歩行と筋活動の関係が気になる方はぜひ最後までご覧ください。

歩行中の筋活動

研究論文の紹介

1.研究の目的と対象者

今回、脳卒中後における歩行能力の改善度合いと筋活動の関係性を示すにあたって、参考にした論文をご紹介します。

Recovery of gait after stroke: what changes?.Buurke JH,2008

改めてですが、この研究の目的は「脳卒中後片麻痺患者様の歩行能力の改善と麻痺側下肢における筋活動パターンの関係性を調査すること」であり、そのために対象となったのは初めて脳卒中を発症した片麻痺患者様13名でした。

※内訳:8名が右半球損傷であり5名が左半球損傷

2.評価方法の設定(method)

本研究で用いられた、歩行含め身体機能の改善度合いを表す指標としては以下6つの評価が用いられました。

Rivermead Mobility Index(RMI)

Functional Ambulation Categories(FAC)

Barthel Index(BI)

Trunk Control Test(TCT)

Motricity Index(MI)

快適歩行速度

もう一つ、下肢の筋活動を示す評価としては表面筋電図を採用し対象となった筋肉は以下です。

脊柱起立筋

大殿筋

中殿筋

大腿直筋

外側広筋

半腱様筋

腓腹筋

前脛骨筋

※全て両側

上記の筋肉のそれぞれ筋活動を測定タイミングは、脳卒中発症後3、6、9、12、24週目に実施しました。

結果(result)

結果ですが、まずは歩行に関する身体機能の改善度合いについてですが、TCTを除き全ての評価指標で経過とともに向上していきました。

歩行の評価結果Recovery of gait after stroke: what changes?.Buurke JH,2008より引用

一方下肢の筋活動についてですが、実は筋活動のパターンは初期からさほど大きな変化はありませんでした。

歩行の筋活動
Recovery of gait after stroke: what changes?.Buurke JH,2008より引用

つまり、脳卒中後歩行能力が改善したからといって、麻痺側含めた下肢の筋活動パターンが変化するかというと案外そこは変わらない可能性が高いということです。

療法士はつい筋活動に目が行きがちだが…

私たち、理学療法士や作業療法士は日々リハビリテーションを行なっていくとついつい「◯◯筋の筋活動が〜」とバイオメカニカルな視点に思考が行きがちになってしまいます。

正常を知らなければ異常がわからないので、ある種正常の筋活動に対する異常な筋活動パターンを知っておくことは決して悪いことではありませんが、一方で…

あまりにも、『筋活動』だけに視点が絞られてしまうと患者様本人の生活の中での動きに対して考えを広げられなくなってしまうという側面も出てくる可能性があります。

「脳卒中後の歩行状態の改善と筋活動パターンの正常化は比例しない」

ある意味、私たちセラピストにとってある種挑戦的な結果ではありますが、これも一つの事実なのでしっかり受け止めて明日からのリハビリテーションに繋げていけたらと思います。

脳と脊髄リハビリ研究センター福岡によるセミナーのご案内

※理学療法士&作業療法士さん向けの発信です

脳と脊髄リハビリ研究センター福岡では、当施設を利用して毎月セミナーを開催しております。

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②『ペインリハビリテーション』
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