この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ、今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。
歩く時、膝が“棒”のようになってしまう際のリハビリ方法
脳卒中(脳出血・脳梗塞)後、歩く際に膝が曲がらず棒のようになってしまうことにお悩みをお持ちの方はいらっしゃらないでしょうか?
この、歩くときに膝が曲がらない現象のことを『反張膝』と呼んだりしますが、実は脳卒中後にこの反張膝を患う方の割合は最大で70%近くに及ぶと言われています。(Geerars.2021)
反張膝が生じる原因
反張膝が生じる原因は様々で、主に以下のような症状が組み合わさって反張膝が生じると言われています。(Higginson.2006,Geerars.2021)
・麻痺側足の感覚障害
・足首の関節が硬い(特に足首を上げる運動)
・ふくらはぎの痙縮(筋肉の強張り)
これらの症状は、脳卒中を患った多くの方に見られるものであり、そのため反張膝自体も誰にでも生じうる可能性があります。
反張膝に対するリハビリ方法
現在、反張膝に対するリハビリは大きく3つ推奨されている方法があります。(Geerars.2021)
②装具療法
③機能的電気刺激(FES)
このうち、『装具療法』と『機能的電気刺激』に関しては、リハビリ施設や専門の療法士がいなければ出来ないことが多いため、今回は自宅で1人でも行える『①感覚トレーニング』についてお伝えします。
感覚トレーニングとは
感覚トレーニングとは、床の上に立ち膝を軽く曲げた状態で様々な運動を行うことで、膝関節が曲がる感覚を掴み自由に曲げ伸ばしができるようになるトレーニングです。
反張膝の状態で長い時間、ご自身の体重を支えることが癖づいてしまうと、膝が曲がること(膝折れ)に対する恐怖心が強くなったり、膝を柔らかく使う感覚が分からなくなってしまうことがあります。
そのため、あえて常時膝を曲げた状態で運動を行うことによって、“膝の使い方”を覚え直すために考案されたのがこの感覚トレーニングです。
2018年に海外で実際に行われた研究においても、膝を軽く曲げた状態で行うトレーニングを一日約20分間行い、これを6日間〜10日間継続して行うことで、反張膝が軽減したという成果が上がっています。(Dalal.2018)
②片脚立ち
※1人で行う場合は何かに掴まってもOK
③片脚立ちのままハーフスクワット
④両膝を軽く曲げたまま、その場で一周回る
この一連の運動を繰り返し行うことで、立った状態で体重を支える時の『膝の使い方』が感覚的に分かってくるようになります。
現在、反張膝で歩きにくさを感じている方がいましたらぜひ一度ご紹介した運動を行ってみてください。
個人差はありますが、早い方で約1週間〜10日ほどで成果を実感できるかもしれません。
最後に
脳と脊髄リハビリ研究センターでは、今回紹介した『感覚トレーニング』をはじめ、先ほど反張膝のリハビリ方法3つ目に挙げた『機能的電気刺激』という方法も取り入れております。
ご興味ある方いましたら、初回無料体験も実施しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
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ちなみに、back kneeに関しては他にも記事を書いておりますので、ご興味ある方はこちらもご覧ください。
この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ、今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。 脳卒中後、歩行時に多くの[…]
参考文献
・Treatment of knee hyperextension in post-stroke gait. A systematic review. Geerars 2021
・Effect of equinus foot placement and intrinsic muscle response on knee extension during stance. Higginson 2006
・Effectiveness of prowling with proprioceptive training on knee hyperextension among stroke subjects using videographic observation- a randomised controlled trial. Dalal 2018