【脳卒中自主トレ】腕を挙げる練習を行うときはここに注意!

この投稿は、『〜脳卒中・脊髄損傷特化型自費リハビリ施設〜脳と脊髄リハビリ研究センター福岡』が、現在様々な神経疾患(脳梗塞・脳出血・脊髄損傷など)により麻痺を患い、本気で改善したいと思っている皆様へ今後のリハビリのヒントとなる情報をお伝えします。

本日は、「脳卒中後麻痺側上肢の自主トレを行う時のポイント」というのをテーマに解説していきたいと思います。

おそらく、多くの脳卒中当事者の皆様が一度は行ったことがある「あの運動」について触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

【脳卒中自主トレ】腕を挙げる練習を行うときはここに注意!

麻痺側の腕を挙げる自主トレの注意点

脳卒中後、多くの方が行う行う自主トレの一つに非麻痺側と麻痺側の手を重ねて腕を挙げる訓練というのがあります。

これは、うまく挙げることができない麻痺側の腕を非麻痺側で補助することによって筋力や関節可動域の改善を図ることを目的に行われる運動です。

腕のリハビリ

この運動は、非常によく用いられている一方、行うときに一つだけ注意しておかなければならないことがあります。

それは、「非麻痺側が先行しすぎない=麻痺側が付いていくだけにならないようにすること」です。

この運動の目的は、麻痺側の運動をもう一度回復するためのトレーニングなのですが、実際に行うときに非麻痺側だけの力でそれを遂行しても麻痺側の運動というのは一向に回復しません。

なぜならば、麻痺側の腕の筋肉に対して脳から運動の指令が送られていないからです。

一見すると、麻痺側も“動いている”ので脳からの運動命令が送られているような気がしますが、それは非麻痺側のみです。

運動麻痺の回復で大切なことは脳と身体がつながること

運動麻痺を回復させていく上で大切なこと。

それは、物理的に動いていることではなく脳からの運動命令によって”動く”ことです。

“物理的に動いている”というのは、端的にいうと「脳からの運動命令なしに(麻痺側の)手足が動くこと」を言います。

つまり、例を出すなら先ほど示したような非麻痺側が100%麻痺側の運動をサポートしている状態ですね。

これだと、拘縮などの二次的に発生する問題は防げても運動麻痺の回復にはなかなかつながりません。

麻痺側の腕をまずは自分で動かそうとすること

だからこそこの自主トレを行う際のポイントは、うまく動かなくても構わないのでまずは麻痺側を主導にすることからです。

つまり、麻痺側の腕にしっかり「手を上げろ!」と命令を送り、そして動かしていくのです。

この時、非麻痺側の役割というのは、「運動の軌道を修正する」、「麻痺側にかかる重力を緩和してあげる」の2つであり、完全に麻痺側のサポートに回ってもらうことが大切です。

これにより、麻痺側上肢の運動麻痺の回復が進んでいく可能性が出てくるかと思います。

最初はストレスが溜まるかもしれません

非麻痺側の腕を使って、麻痺側を挙げていく練習に慣れている方にとっては、この意識の変更によって多少なりストレスに感じるかもしれません。

なぜならば、最初は思うように動かせないからです。

これまでのように、非麻痺側の腕で主導すれば麻痺側の腕も耳の上まで挙がっていたものが、麻痺側を主導にするとそこまで動かすことができないことが多く、そうなると「上手くいかないっ!」と感じることもあるかと思います。

しかし、このギャップはとても大切で、この時「これがいま現在純粋な運動能力なんだ」と向き合えるかどうかが、運動麻痺の回復のカギになります。

脳と末梢神経、そして筋肉がつながるには沢山動かしていく必要があるのですが、この時「麻痺側を主導させたら動かないからやめた」と、麻痺側主導で運動することをやめてしまうと運動麻痺は回復に向かいません。

だからこそ、麻痺側主導で運動を行った時思ったより動かなくても、「ここがスタートで、これからどんどん腕が挙がるようにしていこう!」と思えるか否かはその後の麻痺の状態に大きく影響していきます。

もし、今回お伝えした自主トレのコツが参考になった方は、ぜひ今日から始めてみてください。

必ず、「気づいたら以前よりも腕が挙がるようになってる」ということを実感できる日が来るかと思います。

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